
こんにちは、nyamoです!
最近心理学の書籍を読んで、とても面白かったので記事にしてみようと思いました。
今回の記事のテーマはこちらです!
「思い込みで能力が変わる」
まずはハーバード大学における数学の実験をご紹介します。
下記の文章は、【しらずしらず―あなたの9割を支配する「無意識」を科学する】の内容の一部を僕が要約したものです。

しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する
ハーバード大学の研究者が、同大学に通う数十人のアジア系アメリカ人女性に難しい数学のテストを行った。
彼女たちアジア系アメリカ人女性は、互いに相反する規範を持った内集団に属している。
つまり、数学が得意とされるアジア人であると同時に、数学が苦手とされる女性でもある。
テストに先立って被験者たちを3つのグループに分け、自分自身に関するアンケートを行った。
Aグループのアンケートは、両親や祖父母の話す言語や、何世代前からアメリカに住んでいるかといった、アジア系アメリカ人としての帰属性を呼び覚ますような内容。
Bグループは、男女共同寮の方針に関する質問が記され、女性としての帰属性を呼び覚ますような内容。
Cグループは、使っている電話やケーブルTVなど当たり障りない内容。
アンケート後の数学のテスト結果は、AはCより成績が良く、BはCより成績が悪かった。
自分がどの内集団に属すると考えるかは、自分の能力にさえも影響を与えるという結果になった。
しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する(著)レナード・ムロディナウ (訳)水谷淳
自分がアジア系アメリカ人だと意識すると数学が得意になり、女性であることを意識すると苦手になる。
これはとても面白いですよね。
自分がどこに帰属しているか?という意識は、もしかしたらスポーツの能力にも影響があるかもしれません。
日本人は指が強い
クライミング界で日本人は、欧米人よりも指が強いと言われています。
ということは、「自分は日本人で指が強い人間である」と意識してクライミングをすれば、保持力が上がるかもしれません。
体重が重い
「今は体重が重いから弱い」
クライミングをしているとよくこう言っている人に出会いませんか?
軽い方が良いのは間違いないと思いますが、「自分は今、体重が重い人間」であると意識してしまうと、実力がより出せなくなりそうですね。
カチが得意だと意識した日からカチが強くなった。
最後に、僕にも意識の変化で能力が向上した経験があるので紹介します。
数年前、岩場の目標課題を登る為に、ジムでカチを使う課題を積極的にトライしていた時期がありました。
そんなとき、ある日ジムの常連さんにこう言われたのです。
「nyamoくんはカチ強いね!」
今まで僕は、自分がカチが強いと思ったことは一度もありませんでした。
しかし、「カチが強い」と第三者に言われたことで、自分を「カチが強い人間」にカテゴライズすることができたのです。
今思い返すと僕は、この日を境にどんどんカチが得意になっていきました。
自分はカチが強いという意識があるので、課題でカチを持つ時も、ビーストメーカーにぶら下がる時も、自信を持って保持ができます。
自信があると良いパフォーマンスが発揮され、そこでまた自分はカチが得意なのだと感じることができます。
このようにして「自分はカチが強い」という意識が芽生えたことで、僕の保持力は格段に上昇しました。
競技力を上げる要因は技術とフィジカルだけではない
今回はサブリミナルな側面とクライミングについて記事を書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
「無意識による思い込みが自分たちの行動や能力に影響を与える」
オカルトだと思う方もいるかもしれませんが、心や意識も競技力を上げる大切な要素だと僕は思います。
スポーツの競技力を上げる要因は、技術やフィジカル以外にも沢山あります。
いくつか例を挙げると、モチベーション、居住地、練習場所、道具、食事、お金、ライバル、日頃のストレス、仕事、親の協力性(子供の場合)、家族の理解、指導者、などです。
機会があればこれらの要因についても記事を書きたいですね。
もし、競技力の停滞に悩んでいる方は、いろんな側面からアプローチしてみるのも良い方法だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
【本記事で紹介した書籍】
心理学に興味がある方にはおすすめです。
人間の無意識による思い込みが行動に及ぼす影響について、いろんな事例を挙げて紹介しています。
スポーツやビジネスにも応用できそうな内容が多くて面白いですよ。

しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する
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